文字起こしの校正
■◆■━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.6─2021.08.15━
文字起こし技能テスト メールマガジン
〜 オコシストの翼・ヒラク 〜
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こんにちは。
『第2回 大ごにんしき大賞』が8月1日から応募受付をスタートしました。
賞品も豪華ですのでぜひご応募ください!(詳細は「ごにんしきの広場」にて)
今回の「文字起こしてんやわんや」は、文字起こしとは切り離せない校正についてのお話です。
★内容
1:廿里美の「文字起こしてんやわんや」
2:ごにんしきの広場
3:文字起こし技能テスト情報
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: 1 : 廿里美の「文字起こしてんやわんや」
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今回は文字起こしの校正についてお話しします。
文字起こしの校正者はどうやって、オコシストが聴取不能とした箇所を聞き取っているのか。何か特殊な機材を使っているのか。
これはよく受ける質問です。
◆原稿自体が校正に役立っている
実は、文字化された原稿自体が手掛かりになっているのです。
ゼロから9までを苦労して作るのがオコシストで、9を10に仕上げるのが校正者と説明すると分かりやすいかもしれません。
ゼロから9までを必死に聞き取って、長時間タイピングして文字化するのは、重労働です。9までで疲れてしまって、あと1が行き届かない。
一方、校正者は9までできた原稿を受け取って、フレッシュな頭で作業スタート。
あらかたできている原稿を見ながら音声を聞けば、不明箇所に入るべき言葉がすっと聞き取れます。
オコシストの皆さんも他人の文字起こし原稿の校正を頼まれれば、たぶんテキパキと不明箇所を埋めたり、誤字を直したり、読んだ人が理解しやすいように読点の位置を付け変えたりができると思います。
(「ゼロから9」「9を10」は比喩です、念のため。原稿の具体的な精度が何%という意味ではありません)
◆校正はヘタな人にもうまい人にも依頼できない
とはいえ、誰でも文字起こし原稿の校正を頼まれるとは限りません。
日ごろの納品で誤字や聞き誤りが多ければ、当然頼まれません。
ケバ取り・整文の加減がぎこちないとか、ネット検索ですぐ出てくる言葉を調べていないなども同様です。
つまり優秀な人が校正を頼まれるわけですが。
優秀な人に頼みたくなくて、文字起こしの会社は悩みます。
文字起こしの会社は、優秀な人は文字起こしに回ってほしいのです。
優秀な人が起こしてくれれば、その後の校正はカンタンだからです。
ごくまれな、たまたまの誤字とか、ちょっとの誤解からくる聞き誤りを見つけて直せば、校正作業が終わります。
優秀な人が●にした聴取不能箇所が分かるとすれば、先ほど説明した「すでに9まで仕上がっている原稿だから、それがヒントになって聞き取れた」「フレッシュな耳で聞いたから聞き取れた」にすぎません。
◆文字起こし経験がなければ校正はムリ
ヘタな人にも優秀な人にも頼めないので、文字起こしの会社は校正者に不自由します。
ところが、文字起こしの会社や速記会社が校正専門の登録スタッフを募集するケースは多くありません。
その理由は「文字起こし経験がなくても校正ならできる」と勘違いした人の応募が殺到しがちだからとのことです。
文字起こし、すなわち話し言葉の文字化という作業には、独特の知識と経験が必要です。
その知識と経験の一助になればと文字起こし技能テストが存在するわけですが、文字起こし技能テストには、例えば「エキサイトした大勢の話し声がかぶる会議」とか「俗語と隠語ばかり出てくる仲間内の会話」といったものは出題されません。
それらは、実務経験で身につけていくべき応用的な技能です。
ですから、文字起こし原稿の校正には文字起こしの実務経験が必要なのです。
例外もあります。
それは完成度の高い文字起こし原稿を、そのトーク分野に専門知識のある人が専門知識のみを発揮してチェックする場合です。
句読点や段落替えの位置、ケバ取りや整文の加減などはそのまま。
「音声は“そっ”に近く聞こえるけど、この文脈では“租特”だ」というような知識を発揮して直します。
(ちなみに「租税特別措置法」の略ですが、長いため、話し言葉ではしばしば略称「租特」で出てきます。早口な話者だと「sotk」に近くて「そっ」にしか聞こえません)
余談ですが、校正者が「聴取不能箇所を1個も残したくない!」と頑張りすぎて、誤った言葉を強引に入れてしまうことはNGです。
昨今は、対面の音声だとマスクやアクリル板のせいで録音が不明瞭になりがち、リモート会議だと回線の不調でブツッ、ブツッと途切れたりもします。
ムリに言葉を当てはめて全く誤っていたりすると、かえって納品先に迷惑をかけます。
次回は「自動音声認識結果の校正」についてお送りします。
◆廿 里美
著書
・独学で身につく 文字起こしスキルアップ問題集
・国語好きを生かして在宅ワーク・副業を始める 文字起こし&テープ起こし即戦力ドリル
文字起こし・テープ起こしの総合情報サイトokoso https://okoso.biz/
okosoのTwitter https://twitter.com/okosozukin
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: 2 : ごにんしきの広場
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★第2回 大ごにんしき大賞 開催中★
いよいよ『第2回 大ごにんしき大賞』の作品募集が8月1日からスタートしました!
すでに多数の応募をいただいていて、もしかしたらご応募者同士で似通ったエピソードが出てくるかな…と思っていましたが、全くかぶっていない様子で、皆さんそれぞれに面白いエピソードを持っているんだなあと、今後もワクワクです♪
まだまだ大募集中ですので、ぜひご応募ください。
※『大ごにんしき大賞』では、スマートスピーカーやAI音声認識中に起きた誤認識エピソードを募集しています。
詳細はこちらから → https://www.koubo.co.jp/system/contest/2goninsiki/
(応募期間:2021年8月1日〜9月30日)
★。:.゚ごにんしきミニコーナー:.。★゚
今年は祝日があっちこっちに移動していて、あれ? 今月の祝日はいつだっけ? と思ってSiriに聞いてみました。
「Siri、8月の祝日を教えて」
Siri「2021年8月1日から2021年9月1日までの間には“祝日”という予定は1件も見つかりませんでした」
Siriもさすがに祝日の移動に困惑中?!
(私の聞き方が分かりにくかったのかも…^^; 大ごにんしき大賞事務局 大久保)
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: 3 : 文字起こし技能テスト情報
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第13回文字起こし技能テストの申込み、受付中です!
早めの申込みにて、学習のスケジュールを立てましょう!
第13回「文字起こし技能テスト」
申込み受付期間:2021年7月1日(木)〜2021年10月10日(日)
※受験料納入締切 2021年10月10日 23:59
■技能テスト日程: 2021年11月14日(日)
■技能テスト時間: 午前10時30分〜午後12時15分まで(エントリー、休憩15分を含む)
「知識編」30分 「実技編」30分
★視覚に障害のある方について受験特別措置のお申込みも開始しました。
ご希望の方は下記のページよりお申込みください。
https://mojiokoshi.org/tokubetsu_sochi/
【文字起こし技能テストの教材】
▼全国の書店・オンライン書店等で発売中
『文字起こし技能テスト(R) 公式テキスト 改訂版』 ISBN:978-4-9904934-7-9
『音声起こし技能テスト(R)過去問題集①』 ISBN:978-4-9904934-4-8
▼『文字起こし技能テスト(R) 公式テキスト』の音声版
サピエ図書館に収録されています https://sapie.or.jp/
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また次号でお会いしましょう!
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公式Twitter https://twitter.com/mojimojiokoshi
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編集発行:一般社団法人文字起こし活用推進協議会 編集部
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