オコシストの翼

情報保障、したり、されたりの文字起こし

■◆■━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.28─2023.6.15━
    文字起こし技能テスト  メールマガジン

     〜 オコシストの翼・ヒラク 〜 
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こんにちは。

5月21日に第16回文字起こし技能テストが実施されました。
受験された方、お疲れさまでした!
事務局では現在採点中です。結果発送は6月後半の予定です。

★内容

1:廿里美の文字起こしてんやわんや
2:文字起こし技能テスト情報

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: 1 : 文字起こしてんやわんや
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目が不自由な人や耳が聞こえにくい人は「支援の対象」と、自分とは別の箱に入れて捉えていませんか。
今よく見え、よく聞こえる人であっても、老眼になることだってありますし、年齢と共に聴力も落ちてくることもあります。程度の差はあっても、多くの人が聴覚・視覚の問題に直面します(私と夫も、お互いの話を聞き直す回数が増えてきた気がします……!)。

そして、見えにくさ・聞こえにくさがある程度強い人も、実は文字起こしの世界では活躍しています。

◆実は歴史が長い文字起こしの職業訓練
30年以上前、全盲の知り合いが、テープ起こし(文字起こし)の訓練を受けたことがあると話してくれました。私自身はまだ別の仕事をしていた頃でした。
カセットテープをテープレコーダーで再生して聞きながら、当時パソコンは高価でしたからワープロ専用機で入力するスタイルだったのかなと思います。
読み上げソフトが存在したのか、入力した文字が正しいかをどうやって確認していたのかは分かりません。
その人は、訓練は受けたけれども文字起こしの仕事はしていないと言っていました。

現在は目が不自由なオコシストさんも活躍しています。文字起こし技能テストにも視覚障害がある人向けの特別措置があり、901点以上のスコアを取得しスペシャリストとなった方もいます。
(特別措置は受験時間が長くなる程度で、知識編・実技編の問題自体は一般受験と同じです)

◆難聴でも文字起こし
では、耳が聞こえにくい人は文字起こしは無理? これも、実はそうでもないようです。

聴力も程度はさまざまです。
全く聞こえないと文字起こしは無理ですが、難聴であっても文字起こしの仕事をしている人は、私が直接知っているだけでも複数名います。
ご本人に伺うと「接客などの仕事だと、お客さんに『すみません、大きい声で言ってください』と何度も言うのは気が引ける。その点、文字起こしなら、自分が聞き取れるまで音量をアップすればいいんです」とのことです。

片耳が強い難聴の場合(例えば右耳としましょう)、右側の音の成分はある程度左側にも含まれているから、左耳で聞き取れる。右側「だけ」から聞こえる小さい声を聞き取りたいときは、そのときだけヘッドホンのRとLを逆に装着すればいいんです。と、これもそういう方々から聞いた話です。

※文字起こし作業ではなんとか聞き取りたくてどんどん音量を上げ、ふと、われに返ると大音量になっていることがあります。「難聴でも文字起こし」ならぬ「文字起こしのせいで難聴」になりかねないので、ご注意を。

◆情報保障、したり、されたり
狭義の文字起こしは、話し言葉を文字化して、
(1)記録して保存・公開する(議事録案件など)
(2)執筆材料になる(インタビューや対談案件など)
などが中心でした。

現在「話し言葉の文字化」は、文字起こし以外の職種もたくさんあります。
それらのうち要約筆記と字幕制作は、この欄で過去に取り上げたことがあると思います。
耳が聞こえにくい人への情報保障としてスタートしましたが、「耳で聞くより文字で読むほうが理解しやすいという特性がある人」「日本語を母語としていない人」など、さまざまな人に役立つことが分かってきています。

議会などの会議録を作成・公開するのも情報保障です。
会議録の文字化に携わる人、つまり情報提供側に、目が不自由な人や耳の聞こえにくい人がいるかもしれません。
ですから、一方的に「あの人は支援を受ける側」と決めつけるのは実態に合っていないのです。

長時間イヤホンを装着し、しかもつい大音量にして文字起こしする私も、「仕事のせいで難聴になるかも……。だけど難聴になっても、もしかしたら可能な範囲で仕事は続けられるかも」などと思ったりしています。

◆廿 里美
・著書:国語好きを生かして在宅ワーク・副業を始める 文字起こし&テープ起こし即戦力ドリル
・Twitter:https://twitter.com/okosozukin
・フラウネッツ 文字起こしオンライン講座 講師 https://www.fraunetz.com/seminar/50/
・フラウネッツ リスピーク入門オンライン講座 講師 https://www.fraunetz.com/seminar/1448/

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: 2 : 文字起こし技能テスト情報
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次回第17回の申し込みは7月1日からです。次回は平日開催です!
第17回「文字起こし技能テスト」
日程:2023年11月15日(水)
申込期間:2023年7月1日(土)〜10月11日(水)

第18回「文字起こし技能テスト」
日 程:2024年5月19日(日)
申込期間:2024年1月10日(水)〜4月11日(木)

https://mojiokoshi.org/%E9%96%8B%E5%82%AC%E6%97%A5%E7%A8%8B/
定期的な受験で確実にスコアアップしましょう!

【文字起こし技能テストの教材】
▼全国の書店・オンライン書店等で発売中
『文字起こし技能テスト(R) 公式テキスト 改訂版』 ISBN:978-4-9904934-7-9
『音声起こし技能テスト(R) 過去問題集①』     ISBN:978-4-9904934-4-8

Kindle版『文字起こし技能テスト公式問題集』

▼『文字起こし技能テスト(R) 公式テキスト』の音声版
 サピエ図書館に収録されています https://sapie.or.jp/

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また次号でお会いしましょう!

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編集発行:一般社団法人文字起こし活用推進協議会 編集部
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